1971年 5月に視能訓練士法が成立し、同年10月に第1回の視能訓練士国家試験が行われ121名の視能訓練士が誕生した。 日本視能訓練士協会は1972年5月に141名の会員をもって発足し、1988年には社団法人を取得して、視能訓練士の資質向上と視能矯正学の確立および国民の眼保健衛生の普及・向上を図る社会的責任を持つ公益性の高い団体として発展してきた。 その結果、協会は2012年3月21日に公益社団法人への移行認定を受け、2012年4月から公益社団法人日本視能訓練士協会(以下協会)として公益事業を行う団体の仲間入りを果たした。 法制化後5年間は1校のみであった養成施設は、40年を経て29施設(大学9校、短期大学1校、専門学校19校)となり、毎年750名前後の視能訓練士が誕生している。2020年4月30日現在、有資格者数は16,174名、協会の会員数は6,714名を数える。 一方、近年の医学、医療の急激な発展に対応すべく、視能訓練士にとって視能管理を担う専門職として知識の向上と技術の熟達が必須となっている。 協会はこれらの背景を踏まえ、それ以前より同理事会で萌芽的議論が始まっていた生涯教育制度の施行を具体化するため、2003年に生涯教育委員会を設置した。 委員会は、国民に安全・安心な医療を提供するために視能訓練士が果たすべき役割について、協会の歴史的背景・医療現場のニーズ等を踏まえ、また他団体の生涯教育制度とも比較検討を重ね、最終答申を第50回協会理事会(2004年開催)に提出した。 同理事会は委員会答申に基づき、実行案に関して1年間にわたり検討し、慎重に議論を重ねた。 その結果、2006年春から生涯教育制度を開始することを決定し、まず同年に新人教育プログラムを、2009年からは基礎教育プログラムを開始した。2010年には基礎教育プログラムを修了して所定の条件を満たしたものを認定視能訓練士とすることを決定し、2013年4月から輩出している。今後は全ての視能訓練士が認定視能訓練士認定を受け、質の高い医療の提供に貢献することを目標に、制度の確立と充実を図る。 制度の最終段階にあたる専門教育プログラムについては、眼科学の各専門分野に特化した高度な知識及び技術を有する視能訓練士を育成することを目標に2017年より開始している。